六角舎アートスクールでは、潮江宏三先生(京都市立芸術大学名誉教授・前京都市美術館長)をお迎えし、「西洋美術のツボ」と題する年間6回の連続講座を開催しています。
西洋美術史の泰斗・潮江先生が、西洋美術を見て楽しむための糸口として、文字どおり「ツボ」とも言える特有のポイントに焦点を当てて、解きほぐしていく講座です。
当アートスクール受講生に限らず、広く美術に関心のある方に聴講していただけます。
今期も引き続き、潮江先生のご専門でもある「風景画」についてじっくりと講義していただきます。お楽しみに!(以下、今回の講座の内容についての潮江先生からのコメントです。)
●テーマ:「西洋風景画の話―18世紀の風景画―視覚的享受の発見」
●日程
第25回目:4月19日(日) 18世紀イタリアの風景画―ピットレスコとヴェドゥッタ
17世紀半ばにクロード・ロランとニコラ・プッサンの手で成立した理想的風景画のその後の流れを見、そしてそこから派生したピットレスコ(「絵のようなの意味」)の風景画家たちとヴェネツィアに誕生したスケノグラフィア(画割画)の視点で描かれた実景に基づく街頭図を紹介する。
第26回目:5月17日(日) 18世紀フランスの風景画―雅宴画と「歴史的風景画」
フランスに発生したロココ絵画の代表的な画題、「雅宴画」は、屋外に集う男女たちのシーンを扱ったものであるが、庭園の樹木の豊かさを表すのにルーベンス風が用いられた。これに対し、イタリアに学んだ画家たちは、理想的風景画のパターンをベースにしたピトレスクな風景を好んで描いた。その後の18世紀末に向かう古典主義理論の台頭期にはプッサンの風景画を「歴史的風景画」として再生産することが求められ、そのなかで、ヴァランシアンヌによって現場での油彩スケッチという画期的方法についての指導的提言があった。
第27回目:6月14日(日) 18世紀のイギリス風景画―ピクチャレスクとトポグラフィー
近代イギリス風景画の成立には、18世紀半ば頃から盛んになり始めた上流階層の「グランド・ツアー(大旅行)」が大きなきっかけになっている。ローマを訪れた彼らはその郊外の景観に理想的風景画の発想源となった風景を発見し、自国にいる時は身近にあったオランダ風の風景画を離れて理想的風景画のパターンに憧れ傾倒し始める。「ピクチャレスク」への需要の高まりである。その一方、行く先々の景色の記録についても需要が高まり、それにも画家たちが応えることになる。それが「場所の景観」としての「トポグラフィー」であり、この場合には、より簡便な手段である水彩が用いられた。
●時間:15:00〜17:00(各回とも)
●受講料:1,500円(一回の受講につき)/大学生:1.000円
●場所:六角舎アートスクール(京都市中京区西洞院通六角下ル池須町408-1 北川ビル2F)(アクセス)
●お申し込み:お名前と電話番号、受講希望日をご記入の上、メールでお申し込みください。
(※会場の都合により、定員になり次第お申し込みを締め切らせていただきます。また、天候その他の状況により、日程の変更の可能性がございます。)
潮江宏三(京都市立芸術大学名誉教授・前京都市美術館長)
京都大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士
著作:「銅版画師ウィリアム・ブレイク」(京都書院)
「西洋美術史案内」(はしもと出版工房)
「西洋美術ー新しい視座から」(編・昭和堂) など
2021年10月3日(日) 第1回:「ジョットとレリエーヴォ」(終了しました)
2021年10月31日(日) 第2回:「ファン・エイクと空気遠近法」(終了しました)
2021年11月28日(日) 第3回:「遠近法」(終了しました)
2022年4月17日(日) 第4回:「カラヴァッジョ登場!通俗性の衝撃」(終了しました)
2022年5月15日(日) 第5回:「南方のカラヴァッジェスキ」(終了しました)
2022年6月12日(日) 第6回:「北方のカラヴァッジェスキ」(終了しました)
2022年10月9日(日) 第7回:「ヴェネツィア派の絵画:ヴェネツィアの美術文化とベッリーニ一族の登場」(終了しました)
2022年11月6日(日) 第8回:「ヴェネツィア派の絵画:ジョルジョーネとティツィアーノ」(終了しました)
2022年12月4日(日) 第9回:「ヴェネツィア派の絵画:ティントレットとヴェロネーゼ」(終了しました)
2023年4月16日(日) 第10回:「ロココ美術」(終了しました)
2023年5月21日(日) 第11回:「新古典主義」(終了しました)
2023年6月18日(日) 第12回:「ロマン主義」(終了しました)
<season5>
2023年10月15日(日) 第13回:「スペイン絵画の黄金時代:エル・グレコ到来」(終了しました)
2023年11月19日(日) 第14回:「スペイン絵画の黄金時代:エベラスケスとスペイン・バロック」(終了しました)
2023年12月17日(日) 第15回:「スペイン絵画の黄金時代:エゴヤとその時代」(終了しました)
2024年4月14日(日) 第16回:「西洋風景画物語1」(終了しました)
2024年5月19日(日) 第17回:「西洋風景画物語2」(終了しました)
2024年6月16日(日) 第18回:「西洋風景画物語3」(終了しました)
<season7>
2024年10月6日(日) 第19回:「西洋風景画物語4」(終了しました)
2024年11月17日(日) 第20回:「西洋風景画物語5」(終了しました)
2024年12月15日(日) 第21回:「西洋風景画物語6」(終了しました)
<season8>
2025年4月13日(日) 第22回:「オランダ風景画:オランダ風景画の成立からモノクロミストたちの活躍へ」(終了しました)
2025年5月18日(日) 第23回:「オランダ風景画:黄金時代最盛期の風景画家たち―光の感触へ」(終了しました)
2025年6月15日(日) 第24回:「オランダ風景画:風景画ジャンルの専門画家たち」(終了しました)
<season9>
オランダ美術の「黄金時代」、17世紀オランダの風景画は、イギリスやフランスにおける近代風景画の成立に大きな影響を与えたことで知られている。それは、16世紀フランドル(南ネーデルランド)の「世界風景」とは一転して、西欧絵画の正統となった「遠近法的」視点を用いて自分たちの国土の身近な景観を描こうとする、自然主義的ないしは写実的制作姿勢を持った風景画であったことに由来する。19世紀イギリスやフランスの風景画家たちは、自分たちの風土の美しさに目覚めた時、それを明るいイタリアの光で描くよりも(「理想主義的風景画」風に描くよりも)、ほぼ同じ緯度にあり、気候風土、植生もよく似ているオランダの風景画に共感を懐き、そこに解決法のヒントがあると考えたということである。
今回は、そうした「オランダ風景画」の魅力とその諸相を楽しみたいと思う。
2025年10月19日(日) 第25回:「オランダ風景画2:ヤコブ・ファン・ロイスダール以降の風景画(ランドスケープ)の展開について」(終了しました)
2025年11月16日(日) 第26回:「オランダ風景画2:オランダにおけるイタリア風風景画の展開」(終了しました)
2025年12月14日(日). 第27回:「オランダ風景画2:タウン・スケープ(街頭風景)と建築画の展開」(終了しました)
