京都市立芸術大学オープンキャンパス

8月5日(日)、京都芸大のオープンキャンパスに行ってきました。

 

今日はただ単にオープンキャンパスに見学に行っただけでなく、まずは朝一番から校門の前に立って六角舎アートスクールのパンフレットをオープンキャンパスの来場者の皆さんに手渡すことから始まりました。

バス停から降りて坂道を登って校門の方にやってくる高校生や保護者の方々に声をかけて受け取ってもらいます。他の京都市内の画塾さんたちと一緒になってパンフレットを配って3時間ほどで、持って行ったパンフレットを配り終えることができました。受け取ってくれた皆さん、ありがとうございます。

 

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その後、キャンパスの方へ向かい受付を済ませ、講堂で12時30分からの第2回目の全体説明を聞き、その後はさらに新研究棟での教員対象の説明会に向かいました。

 

全体説明での入試課題の説明、そして教員対象の説明会でのさらに突っ込んだ説明を聞いていて思ったことは、京都芸大のアドミッションポリシーにある、大学が求める学生像を入試問題の文言や採点方法の中に込め、強い信念を持って学生を選ぼうとしているのだな、ということです。

 

全体的な印象として、

 

1 芸術文化に対して幅広い興味,強い好奇心を持っている学生

2 表現に対する強い意欲を持っている学生

3 自ら課題を見出し,解決しようとする意欲を持っている学生

4 基礎的な学力や造形力,柔軟な思考力を持っている学生

 

というアドミッションポリシーの、特に3と4(1と2は芸術大学であるから当然のこととして)を強調されていたように思います。

京都芸大で芸術を学んでいくということ、そして卒業後にも芸術に限らず様々な人生を歩んでいくために大学が重要だと考えることがこの3と4の中に込められており、それを踏まえ入試課題においても、その課題にあるテーマや条件に対してそれをきちんと捉えた上で柔軟に解答してもらいたいこと、またそのためにも基礎的な学力や思考力は身につけてもらいたいということでした。(全体説明では、京都芸大の入試は「傾向がない」ということが傾向だ、とはっきり言われていました。)

 

教員対象の説明会では、この他にもさらに細かいレベルでの意見の交換がなされ、大変有意義な場となりました。このような説明会は昨年度から始まりましたが、大学自体がこのようにオープンな態度で入試に対する姿勢について語るということは、(上に挙げたような)「こういう学生に入学してもらいたい」という強い意思の表れだとも思います。

 

もちろん、我々としてもこうした京都芸大の入試の「特徴」を理解した上でこれまでの京都芸大志望の受験生への指導に望んできましたが、説明会で語られた京都芸大の教育方針への意志には非常に共感できるものであり、そのような場に志望者を送れるように、さらに指導の質を上げていくよう努力していきたいと思います。

 

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その後、総合芸術学、デザイン、油画、陶芸、漆工などの教室や制作室を回って見学しました。

どこも熱心な見学者が展示物に見入ったりワークショップに取り組んだりしていて盛況でした。

 

制作室を回っている中で、前任校の卒業生で京都芸大に在籍中の学生さんに結構たくさん再会することができました。皆それぞれオープンキャンパスのスタッフとして楽しそうに働いていました。そのうちの何人かとは少し言葉を交わすことができて嬉しかったです。

また、何名かの作品は大学会館でのデザインと工芸の作品展に選抜されていたので、大学での活動の一端を垣間見ることもできました。

 

京都芸大には、私が卒業してからもたまに訪れる機会がありますが、その度に驚かされるのは大学のキャンパス内の樹々が本当に大きくなっていることです。私が在学していたのは京都芸大が沓掛キャンパスに移転して数年という時で、校舎も新しかったし樹々も細いものでした。今では、ある位置から見ると林の中に校舎があるかのようも見えるほどです。校舎は確かに老朽化していて使いにくいものになっているのかもしれませんが、40年近い年月をキャンパスに生い茂る樹々が何よりも如実に物語っているようで、この緑の中にあるかのようなキャンパスの有様を好ましく感じます。

 

大変暑い中でのオープンキャンパス見学でしたが、充実した時間の余韻を感じながら京都芸大を後にしました。(Y.O.)

 

※2019/8/5追記:2019年度のオープンキャンパスの様子も合わせてご覧ください。