2学期授業と冬期講習終了、9月〜11月の入試結果




12月29日(月)は、2学期授業に引き続き行われた冬期講習の最終日でした。
 
2学期と冬期講習では、1学期や夏期講習中に培った基礎力を踏まえ、主に私立大の総合型選抜や学校推薦など、間近に迫った入試に対応すべく実践的な練習に入って行きました。デッサンにおいては、試験の制限時間の中での効率の良い描き進め方や、絵をさらに魅力的に見せるための注意点、描き込みの精度を高めていくこと、などです。
 
体験型の総合型選抜への対策としては、実際の体験授業での課題に近いものを想定して取り組んでもらうことで、体験授業当日にどのような課題にも落ち着いて対応できるようにしました。
また、エントリシートの自己推薦文の指導など、実技以外の指導も行いました。

 

国公立大1志望の受験生や、美術系高校志望の中学生は、来年2月の入試を睨んで実践的な課題をこなし、実力をアップできるよう課題に取り組みました。

また、京都市立芸術大学を志望する受験生には、京都芸大の入試を想定した今期第一回目の実技模試を実施。採点の上、全体&個別の講評を行いました。


9月から11月までの間、9名の受験生が受験し、延べ9学科の合格を得ました(総合型選抜の場合は「出願可」を含む)。内訳は以下の通りです。

 

●東京造形大学 グラフィックデザイン 1名
●京都精華大学 造形学科 1名/プロダクトデザイン 1名
●嵯峨美術大学 造形学科 2名

●京都芸術大学   油画 1名/日本画 1名

●京都美術工芸大学 デザイン 1名
●嵯峨美術短期大学 コミックアート 1名

おめでとうございます!
 
そのほかの受験生や今回の受験で進学を決めなかった受験生は、年明けに国公立大や私大の合格を目指します。引き続き頑張っていきましょう。
 
高校1、2年生や中学生も、着実に練習を積み重ねることによって徐々に実力が底上げされてきています。特に高校2年生はそろそろ志望校を考慮しつつ練習の方向性を決めていきたい時期になってきました。
 
また、美術系高校を受験する中学3年生は、受験が迫ってきましたので、ここからはさらに本番を見据えて練習を重ね、しっかりと実力が出せるようにしなければなりません。


2学期と冬期講習中に制作された作品の中から5点だけ紹介します。
 
1)最初のデッサンは高校3年生の作品で、京都市立芸術大学の過去問題です。
2つのスタッキングキャニスターに水を入れ、片方には「止まっている水」を、もう片方は「動いている水」をデッサンで表現するという課題です。2つのモチーフの大きさや配置などのバランス、演出などがよく考えられていて、テーマである「動いている水、止まっている水」の状態が対比的に伝わる画面になっています。また、特に「動いている水」の状態がよく観察されていて的確に表現されています。

実際にキャニスターを動かしながら水の状態を観察してみるとわかりますが、水の動きが素早くてその水の形を捉えるのにかなり苦労させられます。

この作者は、水の動きの特徴をうまく掴んで、手前に突き出してくるキャニスターの形と同期させながら迫力のある描写に成功しています。

キャニスターの蓋の形がやや甘くなってしまっているのが残念ですが、蓋の印刷や、机上の影などの観察も丁寧な秀作だと思います。
 
2)2枚目は高校3年生の作品で、国公立大の試験のために練習しているデッサンの一枚です。木炭紙大画用紙に比較的短い時間で描かなければならないので、いろいろなモチーフを組んで何枚も練習しています。この作品では、作者の長所である形の正確さや丁寧な観察眼を生かしつつ、粘り強く描写を進めて完成まで持っていくことができました。今後はさらに手際よく進め、短い時間の中で質を落とさず描き切ることができるよう練習していきます。
 
 3)最初の色彩は高校3年生の作品で、京都市立芸術大学の過去問題です。「みかん」をモチーフとして滲みを活かした技法で表現します。

絵の具の滲みという不確実な状態を絵の魅力にするためには、起こりつつある画面の状況をよく感じながらその変化に対応していくことだと思います。作者は、描き出しの段階から良い感覚で絵の具を扱い、画面の状態を感じながら美しい色彩の空間を作っています。

この課題は、他の京都市立芸術大学志望の受験生ほぼ全員にやってもらいましたが、この作者と同様、美しい作品が出来上がりました。
 
4)4枚目は、私大の総合型選抜の面接試験に持参するために制作した高校3年生の作品です。掛け軸のような縦長の作品で、3連作になっています。面接で自分をアピールできるものとして、作者が最も好きな水辺の小動物(絶滅危惧種)をテーマにしたイラスト作品を制作することとし、構図などを綿密に計画した上で描き上げました。

作者は構成感覚、色彩感覚に優れ、さらに高い集中力を持って精度の高い彩色ができるので、時間がかかったものの非常に優れた作品を完成することができました。
 
5)5番目の色彩作品は中学2年生の作品で、色彩構成の基本課題の一つです。ある曲の歌詞の内容からイメージを広げて表現します。作者は、門の向こう側からの誘いを植物の蔓の動きで表現し、奥と手前のうさぎや苺の大きさを大胆に変化させることで、大きな奥行き感を演出しています。また、門の手前の地面の紫が意味的にも色彩にも良い効果を挙げているなど、歌詞の内容を自分の世界観に上手く置き換え、魅力的な絵として表現できています。
 
この他にも、2学期〜冬期講習ではたくさんの秀作が生まれました。一点一点の作品は受講生の皆さんの成長の過程を示しています。


受験生は志望校合格に向けて、来年度以降に受験を控える人も、これまでの練習が実を結びそれぞれに飛躍の時期を迎えていると思います。みなさんの力をさらに高め、希望の進路に導いていけるようスタッフも頑張ります。(Y.O.)