1学期授業と夏期講習のデッサンより


六角舎アートスクールでは8月22日に、3週間にわたる夏期講習が終了しました。

 

平常授業では土曜日以外は夕方からの3時間の実習時間ですが、夏期講習では午前中から6時間の実習なので、普段より歯応えのある課題にじっくりと取り組むことができます。また1日程6日間を連続で受講することでその期間は集中して実技練習に向き合うことになり、そうした期間を経ることでやはり実力がアップしてきます。

 

国公立志望の受講生、夏休み明けにある私大の総合選抜入試の準備をする受講生、建築科志望の受講生、美術系高校志望の中学生などの他、来年度以降に受験する高校1、2年生など、受講生の目標や状況は様々ですが、夏期講習では、それぞれの受講生のこれまで培ってきた力をさらに充実したものにできるよう進めました。

 

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今回は、1学期授業と夏期講習中に制作されたデッサンの中からいくつかをご紹介します。

 

1)1枚目は1学期中に描かれたデッサンで、数年前の嵯峨美術大学のスカラシップ入試を元にした課題です。実際の入試の制限時間通りには制作していませんが、その分じっくりと細部まで丁寧に観察した手応えのあるデッサンになりました。

 

2)2枚目は夏期講習中に描かれたデッサンです。フライヤーを演出して空間的な見所を作り、丸茄子とラムネ瓶を組み合わせて描き込んでいます。特に丸茄子のボリュームがしっかり出ていて迫力のあるデッサンになっています。

 

3)3枚目は「黒電話」をなるべく精密に描く課題です。黒電話はまず形態を掴むのが難しく、微妙なラインや複雑な構成を理解しながら形を取っていきました。また、深い黒や反射光などのトーンとともに光沢のある質感を鉛筆を重ねながら表現しました。完成までに少し時間がかかりましたが、比較的時間に余裕のある1学期中に手応えのある作品を作っておくと、その後の自信につながってくると思います。

 

4)4枚目は夏期講習での課題で、手と目玉クリップ2個をモチーフにした「構成デッサン」です。力強い手の描写が秀逸なデッサンですが、特に今回テーマにした手とクリップの質感の描きわけがうまくいって良かったと思います。

 

5)5枚目は組みモチーフの静物デッサンです。ワイン瓶、リンゴ、移植ゴテなどの形の正確さや質感の違いの描きわけもうまくいっていますが、特にそれぞれのモチーフの関係性を理解しながら粘り強く空間を描き表そうとしている秀作だと思います。

 

6)最後はアグリッパの石膏デッサンです。作者はデッサン経験も浅く、これが初めての石膏デッサンだったのですが、落ち着いて観察しながら鉛筆のタッチを集積させ、充実感のあるデッサンとして仕上げました。

 

他にも1学期〜夏期講習中には、充実したデッサンや色彩、立体などの作品がたくさん制作されました。

 

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六角舎アートスクールでは、8月30日(火)より2学期授業が始まります。

 

2学期に入るとすぐに私学の総合選抜入試(体験授業型や面接型)が始まります。国公立や私学のAO入試や推薦入試も間近に迫ってきますし、来年2月の国公立一般入試や美術系高校に照準を定める受験生も試験をリアルに感じながら、年内にできる限り力をつけておきたい時期になってきます。

 

また、来年度以降に入試を控える1、2年生も夏期講習を経てぐっと力がついてきます。

 

それぞれの受講生が目標に向かってさらに飛躍できるよう、2学期も頑張っていきましょう。(Y.O.)