2022年2月2日、大阪に新しい公立の美術館「大阪中之島美術館」が開館します。
先日、大阪・中之島にある国立国際美術館に「ボイス/パレルモ」展を観に行った後、美術館を出たら正面に巨大な「黒い箱」が目に入ってきました。「えっ?新しい美術館って、隣だったの?!」と、ちょっとびっくりしました。新しい美術館は国立国際美術館の近くだと聞いてはいたのですが、すぐ隣だとは思っていなかったのです。(その日、国立国際には肥後橋の方から向かったので、入館時には気がつきませんでした。)
まだ開館準備中なので一面フェンスで覆われていて前庭にはまだ入れませんが、北側からしげしげと眺めてみました。バックが黒いので、すでに美術館正面に鎮座しているヤノベケンジ氏の招き猫(?)がよく目立ってます。
設計は遠藤克彦建築研究所。
もうすぐ開館するこの新しい美術館は、コンペ案が決定し上の完成予想図を見た時に「街の中にこんな”アーク(聖櫃)”のような黒い箱をドーンとおいて重苦しくはないんだろうか?」と思っていたのですが、やはり実際に目にすると良くも悪くもかなり強い存在感があります。
ミニマルな外観ではありますが、都市の中であれ自然の中であれ周囲の環境との調和を志向する現代の建築の傾向からもかなり外れた異質なデザインです。(建物の内部はそれほど奇抜なものではないようですが。)
個人的には、夏場はマットな黒い外壁が熱を吸収して大変なことになりはしないか?と思ったりもしますが、(一般的に見ても賛否両論ありそうだと思うのですが)あえてトレンドから外れたような個性的なものを都会の真ん中に出現させたという点では「アートの器」としては相応しいのではないかと思ったりもします。
この美術館はかなり昔から開館準備室が設立される一方、コレクションが着々と収集されていました。そのコレクションは部分的に色々な形で公開され目にしていましたが、美術館本体は資金や場所の問題などでなかなか建設が決められなかったようです。紆余曲折を経てようやく今年の2月2日に開館に漕ぎ着けたようです。
開館記念展は、これまで収集したコレクションをお披露目するもののようですが、それ以降、「モディリアーニ展」、「岡本太郎展」、「具体展」と興味深い特別展が続くようで、楽しみです。(Y.O.)