1学期授業開始


4月8日(木)より、1学期授業が始まりました。

 

1学期の方針としては、まず基礎力の確立ということがあります。

デッサン、色彩、立体などのそれぞれのジャンルで必ず押さえておきたい最も基本的なことを、練習の中で体得してもらうことを目指します。

 

特に大事な課題については初めに必ず講師がポイントを説明をした上で取り組んでもらい、講評ではそのことがしっかりできたかどうかを確認します。

また練習の途中でも、基本を細かく注意しながら進めて行きます。

この一見地味な基本練習を中途半端にすると、やはり試験本番での応用が利かないばかりか、大学などに進学した際にも不安を残してしまいます。

 

国公立を目指す受験生はもちろん、9月以降にある私大の総合型選抜を目指す受験生にも(キャラクターや漫画など一部のコースを志望する受講生を除いて)、こうした基礎的な課題に取り組んでもらいながら総合型選抜に求められる力をつけていってもらいたいと思います。

 

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左の作例は、当アートスクールの受講生が春期講習中に制作した作品の一部です。

 

1)昨年度からの基礎コース生で今年度受験生になる受講生には、まとまって練習できる春期講習中に志望大学の過去問題に取り組んでもらいました。

志望大学の出題に対応するためには、どのようなことに配慮しなければならないのかなどを早い段階で実感してもらって、今の自分の力と今後の課題を確認してもらうためです。

作例は京都市立芸術大学の2019年度入試の過去問題に取り組んでもらったものですが、若干の形の甘さはあるものの、構成やトーンの幅や細かい描き込みに注意しながら、現段階での充実した作品に仕上がりました。

 

2)昨年度は建築学科の受験生が多かったのですが、今年度もすでに何名かの受講生が建築学科を目指されています。

建築学科のデッサンでは、最終的には目の前にあるものを見ないで描く「想定描写」の力が必要になります。ただ、建築学科志望の受験生にも、まずはものを見て描く一般的な鉛筆デッサンで、ものの形をいかに描くのか、立体化や質感をどのように表現するのかなどを練習してもらった上で「想定描写」に取り組んでもらうことにしています。

作例は、デッサンの基礎を一通り練習してもらった受講生に、デッサンで培った力を生かしながらどれくらい「想定描写」ができるのかを試してもらったものです。作者は構成に苦労しながらも、形や立体感、質感などでしっかりと描き上げてくれました。

 

3)3番目の作品は中学3年生の作品です。やや形が甘いところがありますが、画面構成、大きさ、トーンの幅、質感表現、細部の観察などの点で現時点で大変優れたデッサンになったと思います。

 

4)同じ作者(中学3年生)の「春」をテーマにした色彩表現の作品です。

春らしい要素を使いながら、前後に深く空間を演出した画面構成が秀逸な作品となっています。

 

5)最後は立体構成です。受験で立体が必要か否かに関わらず、立体的な感性が必要な学科を志望する受講生には、基本的な立体構成の課題に取り組んでもらいました。それぞれがパーツの配置によってどのように空間が現れるのかを試行錯誤しながら集中して取り組んでくれたと思います。

 

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受講生の皆さんのそれぞれの挑戦に、スタッフも伴走しながらともに合格を目指す新しい1年が始まりました。皆さんの実力アップのために創意工夫をして行きます。頑張りましょう。(Y.O.)