3学期授業開始

年末年始の休みを経て、1月9日(土)より3学期授業が始まりました。

 

3学期は言うまでもなく、国公立の芸大美大や美術系高等学校の入試直前になりますので、これまで培ってきた力をさらにアップしつつ、それを受験本番で発揮できるように練習を集中的に重ねていく時期となります。

 

1/16、17の大学入試共通テスト後の19日(火)からは直前講習も始まります。コロナ禍の中での入試となり、健康面でも集中力の持続という点でも、受験生、スタッフ共々気をつけて乗り切っていきたいと思います。

 

今回紹介した画像は、3学期後半から冬期講習にかけて当教室で制作された作品です。

 

1)一番目の作品は、比較的大きな静物の組みモチーフによる着彩写生です。主に国公立の芸大の日本画専攻の受験の課題として課されています。

木炭紙大の画用紙に丹念に形をとった後、薄く透明水彩を重ねていきます。透明水彩は塗り急ぎすぎたり塗り重ねすぎたりすると、色が濁ったり、明るいところを潰してしまうので扱いが難しいですが、作者は慎重に作業を進めモチーフの色や質感に近づけていきました。

特に観葉植物の緑の色のニュアンスや、手前のリンゴの描き込みが秀逸だと思います。

作者は2学期中に受験が終了しましたが、受験後も引き続き画力の鍛錬のために練習を続けた内の一枚です。

 

2)薪とサントリーオールドの瓶の組み合わせは、ある程度練習が進んだ基礎コース(高校1〜2年生)の受講生に描いてもらう課題です。モチーフの立体感を維持しながら細部の表情を時間をかけて描き込んでいく中で、鉛筆や練りゴムの扱いや鉛筆のトーンのバリエーションを体得していきます。

作者は粘り強く鉛筆を重ね、木の皮の表情や瓶の黒いトーンなどを丁寧に表現しました。

 

3)三番目の静物デッサンも高校2年生の作品です。卓上デッサンで練習を積み、大きなモチーフにも対応できそうな基礎コース受講生には、このような大きなモチーフにも挑戦してもらっています。

モチーフが大きくなると、描いていく上で形の狂いも大きくなりますし、モチーフを見る視線の上下や前後に伴ってそれを空間的にまとめていく力が必要になってきます。また鉛筆の線の長いストロークやトーンの強弱をコントロールしたりする力も必要です。

作者は、モチーフの大きな立体の在りようを力強く維持しながら、それぞれのモチーフの質感や表情をとらえ、充実したデッサンとして描きあげました。

 

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高校生、浪人生、中学3年生などの受験生は、これから受験モードの中で集中力の高い秀作をたくさん生み出していくと思います。

高校1〜2年生や中学2年生の基礎コースの受講生は、そうした受験生の様子や作品を教室であらかじめ体験しておくことで、来年以降自分自身が受験する際のイメージを掴んでおいてほしいと思います。(Y.O.)