私の選ぶ本の7日間・4日目


「画文集 炭鉱に生きる・地の底の人生記録」山本作兵衛著(講談社・2011/1967)

 

以前、「九州派」として知られる画家・菊畑茂久馬さんの文章を読んでいて、この著者のことを知りました。

この本は、7歳から50年以上にわたって筑豊の炭鉱で働いた山本作兵衛さん(1892〜1984)が、引退後の60代から当時の記憶を辿りながら絵と文章で残した記録をまとめたものです。坑内での危険で過酷な労働の様子や、鉱夫の家族の暮らし、風俗、言い伝えなどが詳細な解説入りのイラストと文章で描かれています。

 

この本は私があれこれ何かを説明的に語るよりは、興味を持った人が実際に本を手にとって内容を体験されるのがいいと思います。

 

作兵衛翁のどこかほのぼのとしたタッチの絵と淡々とした語り口の向こうに、日本の「近代」の、もう一つの側面が見えてきます。(Y.O.)