私の選ぶ本の7日間・5日目


「シェルター」 ロイド・カーン(ワールドフォトプレス、2001/原著刊行 1973)

 
縦36.5cm、 横28cmの大判サイズ、全175ページにわたって所狭しと、著者たちが実際に足を使って集めた世界の様々な場所で作られた住まいの写真、その工法のイラスト、その説明や関連する雑学、エッセイなどの細かい文字が、”Whole Earth Catalog”さながらにびっしりと埋め尽くしています。
 
木、石、泥、竹、干し草など、その土地にある自然素材を加工して組み合わせ、それぞれの場所で生きていくのに適した住まいがどのように作り出されるのか、様々な人々のたくさんの「知恵」がぎっしり詰まっています。バックミンスター・フラーのジオデシック・ドームの作り方やヒッピーたちが作るユニークな住みかの写真なんかもあります。当時の対抗文化の匂いがプンプンする本です。
 
できれば小学校高学年か中学生くらいの時にこの本に出会っていたら、日がな一日寝そべりながらこの本の中に入り込み、ページの中の小さなイラストや細かい文字の中に込められた「知恵」を追って過ごせたのになぁ〜、と思ってしまいます。(Y.O.)