私の選ぶ本の7日間・1日目


Facebook上で「7日間ブックカバー・チャレンジ」という遊びがあって、自分が好きな本を7冊選んで毎日1冊づつそのブックカバーの写真をアップする、そして次の人を指名する、というものなのだが、その番が回ってきたのでどんな本を選ぼうかと思って考えてみた。私が本を選んだ際の基準としては、

 

1)当然のことながら好きな本であること

2)ブックカバーが比較的面白いデザインのものであること

3)見た人が多少なりとも興味を持ってもらえそうな本であること

4)有名すぎる(定番の)本ではないこと。(ただ、結果的に結構有名な本は入ることになったのだが・・・。)

5)紹介するにあたって自分の言葉で語れるものであること

6)選ぶ本の傾向が重複しないようにすること

7)現在でも比較的容易に入手可能な本であること

 

など、結構厳しい基準を課したがゆえに大多数の本が選から漏れることになった。最も好きな本や私にとって重要な本の数々も外れた。

でも本を選ぶ過程で本棚の中の古い本を見直したりして、あれこれ考えることで手持ちの本への理解がさらに深まる7日間だった。

 


"The Diary of Frida Kahlo - An Intimate Self-Portrait " (ABRAMS, 2005/1995)


私はメキシコの画家・フリーダ・カーロ(1907-54)が大好きですが、この本には、フリーダの晩年の1944年から54年までの170ページにわたる日記1冊・・・
手書きの文字や中に描かれたイラストなどが丸ごと収められています。(巻末に英訳と解説付き。)

 

フリーダの作品はほとんどが自画像で、その時の彼女の内面の状態を表現したものが多いのですが、日記の中ではそれ以上に自分の心情をストレートに吐露しています。私はスペイン語はほとんどわかりませんが、日記に書かれた言葉を読まなくても、イラストや添えられた言葉の断片から何かふつふつとたぎるような思いが伝わってきます。

 

この表紙の絵は、解説でも「謎めいている」とされていますが、美しい緑の羽根をまとうフリーダは明らかに、アステカの創世神話に出てくる神の鳥であるケツァールに自分を重ね合わせていると思います。しかし絵に添えられたコメントには「あなたは行ってしまうのか? いいえ」とあり、下にはこの絵のテーマでしょうか、「折れた翼」という言葉が記されています。

神の鳥のように神々しいのに自分の翼は折れてしまっていて、どこにも行くことができない、ということなのでしょうか・・・?

 子どもの頃からの病気や事故や、度重なる手術などで晩年のフリーダは身体的にはボロボロになっていました。そんな自分の状態を「折れた翼」として表現したのかもしれません。(Y.O.)