京都市立芸術大学作品展2019-20

現在、六角舎アートスクールは、今月25日から始まる国公立の一般入試に向けた実技練習が白熱しているところですが、今日は教室が休み(試験までの唯一の)なので、京都市立芸術大学の作品展を観に、西京区沓掛にある京都芸大のキャンパスに行って来ました。

 

京都市立芸術大学作品展は毎年この時期にあり、他大学のように卒業制作展ではなく、美術学部の全学年が制作した作品が展示されるところが特徴です。

例年、京都市美術館(本館と別館)と京都芸大、その他の会場で開催されていましたが、京都市美術館の本館が数年前に改修に入って使えなくなったため、京都芸大での展示が拡大されようです。昨年は京都市美術館別館での展示はあったのですが、今年は無くなり、京都芸大と元崇仁小学校だけの展示になりました。

 

毎年、京都市美術館での展示は見に行っていたのですが、京都芸大のキャンパスでの展示を見に行くのは初めてです。

 

京都芸大へは夏のオープンキャンパスにここ数年来ていましたので、久しぶり感はないのですが、キャンパス内全館を使って、いろいろなところに作品が展示してあり、学生時代にもあまり立ち入ったことのない場所に入れたりしてなかなかに新鮮な感じで回りました。

写真は4時間くらいウロウロとあちこちを見て回ったほんの一部です。

 

綺麗に片付けられた制作室や工房に作品が展示されているのを見て、美術館での展示のように文脈から切り離され純粋に作品だけを見せるような展示のあり方とは違って、まさにその作品が生まれた現場から立ち上がるような生々しい感覚を感じないわけにはいきませんでした。40年にわたって使い込まれて来た制作室や工房の重厚な佇まいや、隅に片付けられた道具類、工房の裏に転がっている作品になり損ねた素材の山や打ち捨てられた作品との関係をも否応なく感じさせてしまうのです。作品を純粋に鑑賞する上ではそれがノイズにもなりますが、私は今回、単純にそれが面白い、と思いました。何か、畑で採れたばかりの土のついた野菜を畑の前で広げて見せているようなおおらかさがあります。

 

そしてこうした制作室や工房が立ち並んで、作品が日々生み出されて来る美術大学という場所が、やっぱり面白いところだな、と改めて思いました。

 

美術大学への進学を考えている高校生や中学生は、いろんな作品が生み出されている現場を肌で感じられるいい機会なので、作品展を観に京都芸大まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

2/11(祝)には、展示室を回って制作者の話が聞ける機会があるようです。(その後は進学説明会も。)

 

また、作品展の特設サイトにも学生のインタビューがたくさん載っていて、美術の分野で将来どんなことをやってみたいか考えている高校生や中学生には一読の価値があると思います。(Y.O.)