夏期講習2019 終了



7月下旬から、中休みを挟んで4週に渡って行われた夏期講習が終了しました。

今年度の受験を控えた高校生、卒業生、中学生のほか、来年度以降の入試を考えている高校生や中学生も参加されました。

 

1学期からの受講生にはこれまでの練習を踏まえて、新しく夏期講習会から参加される受講生には基礎的なことを重点的に進めて行きました。

ある程度の経験を積んだ受講生には、これまでの力を確認しつつさらにステップアップできるように進めました。

また、8月初めの関西の私立大のAO入試を受験する受講生はその対策も必要でした。

 

夏休みは、補習や文化祭の準備などの学校行事やクラブ活動なども色々とあり、意外に忙しいようです。そんな時間をやりくりしながらも教室で実技練習のために集中したことは、秋以降、きっと成果として現れてくることと思います。

 

夏期講習中に制作された作品の中からいくつかピックアップしてご紹介します。

 

●一番上の2作品は、関西の私立大のAO入試対策のための練習として制作したものです。お二人とも近年人気のあるキャラクターデザインの専攻を志望していましたが、それぞれ第1希望の大学より「出願可」の認定を得ることができました。(当アートスクールからの本年度の合格者、第1号と第2号です。)おめでとうございます!

 

●デッサンの上の2点は、基礎力の強化として取り組んでもらったものです。基本形態(直方体、円筒形、球体)の把握を踏まえてさらに細部を描き込んでいきますが、その時、大きな形態感が崩れないように注意しながら進めるようにしました。

 

●デッサンの下の2点は、さらに複雑な形態のモチーフとその組み合わせに取り組んでもらったものです。(黒いゴミ袋、スプレー、スコップ、レモンのデッサンは、京都芸大の過去問題に準じたものです。)

それぞれのモチーフの形態を正確に捉えること、固有色と質感の表現、モチーフ相互の関係性(距離感)などに特に注意しながら制作しました。

 

それぞれに充実したデッサンですが、同時に、その制作過程では改善すべき点がいくつも見られました。それを意識しながら次のデッサンに活かして行ってほしいと思います。

 

●「電球」をモチーフにした色彩構成は、絵の具を3原色+白、黒に限定し、ベタ塗りで彩色する課題です。限定された色彩でもその混色と組み合わせに工夫することでかなり多彩な色彩表現が可能です。そのようにして色彩感覚を鍛えることに加え、電球の形態感やガラスの質感、空間の表現などを、色面の分割や色彩の設計によってどのように表現するかということが課題になってきます。今回の作品では、その課題に集中して取り組んだ試行の跡が見て取れます。

 

●最後の2点は中学生の作品で、ある言葉によるテーマを自由に色彩で表現する「イメージ表現」の課題です。どちらの作品も、前景/中景/後景という空間の設定でその世界観をしっかり打ち出した上で、その表現上のこだわりを感じさせる秀作だと思います。

 

一つ一つの課題に、それぞれの問題意識を持って取り組み、その結果をまた次に繋げていく・・・・この継続が実力と自信になります。

9月からは夏までの練習を踏まえ、受験生にはより実践を意識した課題に取り組んでもらいます。

 

頑張っていきましょう。(Y.O.)