小田中康浩展 - EASTER/ギャラリー16

 

3月19日より、京都・岡崎公園近くの画廊ギャラリー16にて「小田中康浩ーEASTER」展を開催いたします。以下は、今回の個展に際して発表した文章です。

絵画—世界の光を彫刻する

1)私は80年代中頃に絵画に取り組んでほどなく「絵画は光に関する芸術であり、具体的には色彩をその手段とする」との認識を得、それ以来、形象化する光とその内容に相応した形式上の問題を考えてきた。そうした探求は私自身の寄り道や怠惰もあってなかなか進展しなかったが、2005年頃、「光の中からあるボリュームを彫り出す事」というよりシンプルなテーマ(願望)に至り、私の中で大きく動き出した。

キャンヴァス(白い光)の中から筆(鑿、鏝、篦)をもってある色彩の塊を彫り出す。具体的には光にある方向性と限定性を与えることによって、それは分光され、色彩が生じる。そのような行為を積み重ねることによってある個別性を持った色彩としての光のボリュームを彫り出すのだ。

そしてまた、光という言葉は上のような物理的存在としての意味(外部の光)と、さらにはマーラーが「Urlicht(原光)」と呼び親鸞が「不可思議光」と呼んだような形而上的な意味(内部の光)がある。内と外の光を往還させながら自らの身体によって光を彫琢し、そしてその丸ごとを「投げ出す/捧げる」こと。私にとって、絵を描くことはそのようなものである他ない、という事がわかってきた。

2)そして、現時点での形態的な興味に基づき、今後の方向性として3つのシリーズを平行して制作することにした。
・ 人物や動物の像として表現する(シリーズ“光慶”)。
・ 建築物やモニュメントのかたちとして表現する(シリーズ“夢殿”)。
・ 「彫り出された光の塊」を要素として構成・配置し、さらに「大きな光の彫刻」あるいは「光の庭園」として表現する(シリーズ“夢窓”)。

今回の個展では、この3つのシリーズから1〜数点展示することにより、「絵画—世界の光を彫刻する」というコンセプトに基づく今後の展開を示します。新作の個展としては10年ぶりとなります。ご高覧とご批評を宜しくお願いいたします。

上の写真の絵「夢殿Ⅰ(ゆきの夢殿)」や、以前こちらのブログでも紹介した「虚空蔵」など、大型の絵画5点とドローイングを数点展示します。私は基本的には連日会場にいる予定です。みなさんに会場でお目にかかるのを楽しみにしております。(Y.O.)

小田中康浩ーEASTER
2013年3月19日(火)~3月30日(土)
12:00~19:00(日曜・最終日~18:00/月曜・休)
ギャラリー16
〒605-0021
京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3F
075-751-9238

 

(この文章は、松尾美術研究室のブログ "マツオ・アートログ”への2013年3月10日付けの投稿を転載したものです。)